いつでもドア

http://homepage3.nifty.com/iromono/diary/200810B.html#26の「どこでもドアで永久機関ができない理由」に関して。

どこでもドアはエネルギー保存則を破る。エネルギー保存則が破れるということは、どこでもドアを使って永久機関(つまり、エネルギーをいくらでも取り出すことができる機関)を作ることができる。どこでもドアを使った永久機関を設計せよ。
という問題を出して楽しんでいた。この永久機関というのはつまり、「ドアを上下に配置して、上のドアから落ちたものが下のドアに入って、また上に戻るようにする」というもの。

http://homepage3.nifty.com/iromono/diary/200810B.html#26


「どこでもドア」からエネルギーの供給があるとすると矛盾は無くなるのですが、あまり面白くありません。だから通路を開くのにはエネルギーが必要だとしても、それ以降は必要無いという設定にしたほうがいいのか。


ドアを通り抜ける人や物がエネルギーを供給するというように考えることも出来ます。1メートル高いところにドアの出口があった場合には、ドアを通り抜けるのに1メートル高いところに上るのと同じ力が必要というものです。
前に読んだSFで、無重力になった場所に入るには月に行くよりも沢山のエネルギーが必要だというのを読んだことがあります。エネルギー保存の法則からは、この考え方にも一理あります。他の作品で、反重力が達成されたことによりエネルギー保存の法則が破られたというのもありました。


重力以外に速度の違いなんかもどうなるんだろう。電車の中にドアの出口があった場合に、速度が同期していないと困ったことになるからです。単純に別の場所に移動した場合でも、地球の自転や公転による速度や向きの違いがあるのでやはり速度の調整も行われるとしないと問題がありますが、速度の調整が行われることを利用しても永久機関が可能になるかも。


どこでもドアでなく、超能力などによる瞬間移動にかんしても位置エネルギーや運動エネルギーの保存に関してどういう仕組みになっているのかという問題も出てきます。知っている限りでは、瞬間移動の前後で運動エネルギーが保存されるということについて説明している作品がひとつあります。



白鹿亭綺譚 (ハヤカワ文庫 SF 404)

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高飛びレイク 全 (ソノラマノベルス)

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無限は無い

人力検索はてなの質問から。

対角線論法が駄目だと思います.無限は無い,あっても一つだと思います.
1.二進法で表した,自然数区間[0,1)の実数とを考えます.
2.二進法で表した整数を区間[0,1)の有理数に1対1に対応させます.たとえば110101を0.101011といった具合にします.(対称になっているのです)
3.n桁以下の自然数(0も含みます)について,2^n個の自然数があり,それらに2^n個の区間[0,1)の有理数が1対1対応します.
4.log2_n(nの底が2の対数)はnの極限をとると当然無限です.(log2_nが任意の自然数より大きくできるということです.n=2^(N+1)とおけばlog2_nはNより大きいです)
5.以上よりもれなく実数と対応するといえます.
自然数濃度と実数濃度は同じではないでしょうか.

http://q.hatena.ne.jp/1224941448


2ちゃんねるの書き込みなどで「お前は俺か」というのが定型フレーズとしてあるみたいですが、この質問を読んだときにそんな言葉が頭に浮かびました。
似たようなことは前に何回か書いたことがあるのですが、二進数を使って表記した自然数を反転させるというのだったらこの辺。

しかし自然数を表記するのに無限の桁を使うことを認めると、実数と対応させることが出来てしまいます。やりかたはいたって単純で、小数点以下第一位の数が一の位、第二位が十の位、のように続けていった数を実数に対応させることです。見た目としては小数の「0.」を取り除いて、左右を反転させたものになります。これが一対一対応することについては、特に説明の必要もないと思います。

http://d.hatena.ne.jp/ROYGB/20080114#inf


無限の桁を使うことを認めると、とことわっているのは、通常の自然数の定義では無限の桁を使うことは認められていないからです。でもこれも不思議なことで、自然数は無限にあるというのに、どの自然数を表記するのにも有限の桁で足りるということを理解するのは難しい。


対角線論法の否定ということについて書いたのはこれ。有限桁のどれかが違えば数の値も違うけど、無限桁の場合はどれかが違っても値が違うとは限らないということです。

そう考えると、対角線論法を否定することも出来てしまいそうな気もしてきます。自然数に対応しきれない実数という、対角線を使って創られる小数点以下第n位の値がn番目の小数と違う数が新しい数であるとは限らなくなるからです。nが有限の値の場合は、小数点以下第n位の値が違えば小数の値にも差が生じます。しかしnが無限の場合は、小数点以下第n位の値が違っても小数の値は変わらないからです。

http://d.hatena.ne.jp/ROYGB/20080126#decimal


別の書き方をすれば、2つの無限小数があった場合に、両者の有限の桁の値は全て等しいが無限桁では違いがある。この2つの数の値は同じか、それとも違うのか。と、いうような質問にすることもできます。