ローダンNEOに金星基地は出てくるか

ペリーローダンシリーズの新しいバージョンがでるみたいです。

全世界で累計発行部数10億部を超える、世界最長のSFシリーズ〈宇宙英雄ローダン〉。

その50周年企画としてドイツで2011年にスタートしたリブート・シリーズ〈ローダンNEO〉をハヤカワ文庫SFから刊行します。

第1巻『スターダスト』は2017年7月刊、以下、第1シーズン全8巻を2018年2月まで毎月刊行します。

〈ローダンNEO〉は2036年の近未来に舞台を設定。米国・ロシア・中国の三大国が宇宙開発を競うなか、NASAの宇宙飛行士であるペリー・ローダン少佐は月面に出現した地球外生命体とコンタクトすべく月面に向かう。だが、そのミッションは密命を帯びていた……。現代の世界情勢を反映した国家間の対立も描かれ、従来のローダン・シリーズより物語に厚みが出ています。

http://www.hayakawa-online.co.jp/new/2017-04-27-173913.html


オリジナルのローダンシリーズはアポロ11号が実際に月着陸をした1969年よりも昔の1961年に開始されて、舞台は10年後の1971年になっています。月ロケットが原子力エンジンを使っていたり、有人宇宙ステーションが先に実現していたりと実際の世界とは違っている部分もあるもののわりと未来を予測していた感じもします。
そして人類で初めて月面に着陸したローダンが宇宙人と出会うという始まり方をしますが、書かれたのが昔であるため現代の知識からすると変な部分もわりと多くあります。


たとえば金星にはジャングルがあって恐竜のような巨大な生物が生息しています。これは雲に覆われた金星が熱帯のジャングルににた高温多湿の環境ではないかという想像からで、当時のSFではわりと多いシチュエーションでした。しかし現在では金星にジャングルなどが無いことは判明しています。
ローダンシリーズではこの金星に昔に作られた宇宙人の基地があるのですが、ローダンNEOではどうなるのでしょう。人間が生息できない環境というのを取り入れると話はずいぶん変わりそうです。


それからミュータント部隊。これはテレパシーやテレキネシスといった超能力を持つ人達を集めた特殊部隊ですが、日本人も多く所属しています。これは原爆の放射能による突然変異によって、そうした超能力が発生したという設定があるからですが、これも今だとちょっとさしさわりがあるかも。新しいシリーズでの日本人の登場はどうなるのでしょうか。また登場するとしたら、タコ=カクタやイシ=マツといった日本人からすると変な名前が修正されるのかどうか。これがタナカ=イチロウみたいな普通の名前になっても逆につまらないかなあという気もします。ちなみにタナカ=セイコというそれだけだと普通の名前も出てきますが、男性の名前としてです。


冷たい核爆弾というものも登場します。これは核分裂の熱により核融合を起こす水爆ではなく、触媒反応によって比較的低温で核融合を起こす水爆のことです。こういった核分裂を必要としない水爆は現実には存在しませんが、SFにはわりと登場します。そしてローダンシリーズでは、これが大きな役割を果たします。
なのでオリジナル通りに現実には存在しない触媒水爆でいくのか、それとも別の方式たとえばレーザー起爆式の水爆みたいなのを考えるのでしょうか。


そして何より米ソという二大勢力があったからローダンは第三勢力を名乗ったわけですが、ソ連無き今だとどうなるのでしょうか。