ジョン平とぼくらの「世界」

「ジョン平とぼくと」シリーズの3作目[ジョン平とぼくらの世界」を読みました。現実の世界とよく似ているけれども、魔法が使えるというのが違う世界を舞台にしています。江戸時代の終わりから明治にかけて活躍した「魔法王」について最初の方で書かれています。架空の歴史という点で清水義範の「開国ニッポン」を連想させました。うまくやれば、この辺の話だけでもシリーズにできるかもしれません。
1作目の「ジョン平とぼくと」を読んだときは、SFのようだと感じました。魔法という架空の設定について、因果関係や原理の説明がしっかりしていたからです。今回は、ハードSFのようだと感じました。魔法によるエネルギーをワットやジュールで計算するなんていうのは過去に読んだ物には無かったような気がします。魔法の効果もジュールのようなSI単位系で測定することが可能であるというのは、つまり科学によって説明可能な現象だということです。その他にも、まるでスティーヴン・バクスターのSFかと思わせるような用語の登場にはびっくりしました。



前に書いた「ジョン平とぼくと」シリーズ関連
リンゴ、雲、みずすまし
青、赤、オレンジ