騒音

昨日マンションの騒音に関して少し描きましたが、騒音を原因とする裁判がニュースになっていました。http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071003i413.htmの「マンション上階に住む幼児の足音は騒音、36万支払い命令 社会 YOMIURI ONLINE(読売新聞)」から引用します。

 マンションの上の階に住む幼児の騒ぐ音がうるさく、精神的苦痛を受けたとして、東京都内の男性が、幼児の父親に240万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、東京地裁であった。

 中村也寸志裁判官は「幼児の騒ぐ音は我慢できる限度を超えていた」として、36万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は東京都板橋区のマンション1階に住んでいたが、2004年4月ごろに幼児の家族が2階に引っ越してきて以降、幼児が室内を走り回ったり跳びはねたりする音に悩まされるようになった。抗議をしても、幼児の父親は「文句があるなら建物に言ってくれ」などと取り合わなかったため、男性は騒音計などで音を測り、提訴。幼児の家族は05年11月に転居した。

 判決は、「騒音の程度は50〜60デシベルとかなり大きく、深夜に及ぶこともあった。被告は子どもをしつけるなど住み方を工夫し、誠意ある対応をするべきだった」と述べた。

(2007年10月3日20時24分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071003i413.htm


50〜60デシベルというのがどの程度なのかというと、50デシベルで静かな事務所、エアコンの室外機程度、60デシベルだと普通の会話・チャイムなどが相当するようです。それほど大きな音では無いようにも感じられますが、深夜であればちょっとうるさく感じるでしょう。
また、騒音の環境基準は地域によっても変化するようです。http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071003/trl0710032036006-n1.htmの『階上の子供の騒音に慰謝料認定 「子供をしかりなさい」 - MSN産経ニュース』によれば“50〜65デシベルと都条例の定めた騒音レベルを超えていたと”とありますので基準を超えていたのでしょう。読売の記事で60デシベルとなっていたのが65デシベルになっているのが不思議なところです。



参考1:http://www.city.ichihara.chiba.jp/060kankyou/kankyou_kanri/taiki/souon/souon.htm「騒音・振動」
参考2:http://www.env.go.jp/kijun/oto1-1.html「騒音(新基準)」


記事に書かれていないことで気になったのは、引越しが提訴の前なのかそれとも後なのかということです。提訴したことによって相手が転居したのならば、ある程度は目的を達成したようにも思えます。判決で36万の支払い命令が出ましたが、36万円を貰えばうるさくても満足というわけでもないでしう。これが、引っ越した後になってから訴えたのだとすると、少しやりすぎのようにも思えます。

しかし、裁判というのは時間が掛かるものだと思いました。2004年当時に幼児でも、今では小学生くらいになっているかもしれません。さらに、まだ地裁の判決なので上告して高裁にいけばもっと時間がかかるでしょう。
小額訴訟もしくは調停を選択した方が、より早い結論が期待できるかもしれません。



(5日追記)
騒音関連でこんなニュースもありました。http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071005it01.htmの『公園の噴水遊びを騒音認定、「基準超す」と使用停止に 社会 YOMIURI ONLINE(読売新聞)』から。

 東京都西東京市緑町の「西東京いこいの森公園」の噴水で遊ぶ子供の声がうるさいとして、近くに住む女性が騒音差し止めの仮処分を申し立て、東京地裁八王子支部が噴水を使用してはならないとする決定を出していたことがわかった。

 決定は1日に出され、同市は翌2日から噴水を止めている。

 同公園は、旧東大原子核研究所の跡地を利用して、市が2005年4月に開設した。敷地面積は4万4000平方メートルで、噴水は、遊具などが置かれた広場の中にある。複数の噴水口から水が断続的に噴き出す仕組みで、水の間を縫って遊べるようになっている。

 決定書などによると、噴水と女性の家とは数十メートル離れている。都環境確保条例の騒音規制では、この地域の午前8時〜午後7時の基準値を静かな事務所内に相当する50デシベルと定めているが、市が観測したところ、噴水で遊ぶ子供の声は女性の自宅付近で60デシベルと、基準値を超えたという。

 女性は病気療養中で、不整脈や不眠の症状があり、水遊びをする子供の声が精神的不安や苦痛をもたらすなどと主張。これに対し、市側は、子供の声は騒音とは言えず、他の住民の苦情もないとして、基準値を超えていても受忍限度を超える騒音にはあたらないと反論していた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071005it01.htm


季節的な面から考えると、もう噴水遊びをする時期では無いので影響はそれほど無いかもしれません。来年の夏までに判決はでるのでしょうか。まあ判決が出なくても、仮処分に対する異議申し立てなどはできます。仮処分という方法については、判決を待たずにある程度目的を達成できるという点からは裁判の長期化のデメリットを補完する効果があると思います。
しかし、この場合はちょっとどうかと思わないでもありません。噴水がとまっても子供の声は聞こえてくるんじゃないかとか、家の前を車が走ったりするのは平気なのかなどというような理由からです。幹線道路の脇や高速道路、電車の近くなどでは50デシベルなんでものでは無いのでしょうが、その辺の地域では基準値が違うのでしょうか。
あと、公園の噴水には簡単に使用禁止の仮処分が出るのに、飛行場なんかの騒音については使用禁止にならないのが不思議というか面白いなと感じました。その辺から、この公園も米軍管理にすれば噴水も再開できるのではなんて妄想にふけってしまいました。


(さらに追記)
http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY200710050168.htmlの『asahi.com:公園の噴水遊びは「騒音」 訴え認める 東京地裁支部 - 社会』によればスケートボードの音についても仮処分の申し立てをしていたようです。

東京都西東京市緑町3丁目の「西東京いこいの森公園」にある噴水で遊ぶ子どもの声やスケートボードの音がうるさいとして、近くに住む女性が市に対して噴水の使用とスケートボードで遊ばせることをやめるよう求める仮処分を申請し、東京地裁八王子支部がこれを認める決定を出していたことが分かった。決定は1日付で、市は2日から両施設の使用を中止している。

 市によると、噴水は地面に埋め込まれた噴水口から水が断続的に噴き出し、水の間を縫って遊べる構造になっている。女性の家は公園に隣接し、噴水からは数十メートルの距離にある。都条例で同地域の騒音規制基準は日中で50デシベルと定められているが、市が女性宅付近で測定したところ、噴水で遊ぶ子どもの声が60デシベルスケートボードの音が58デシベルと、ともに基準値を上回っていたという。

http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY200710050168.html


(16日追記)公園での噴水やスケートボードなどの騒音差し止めの仮処分に関するニュースの続報がはてなブックマークで紹介されていました。http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20071016k0000m070135000c.htmlの「記者の目:西東京の公園騒音差し止め仮処分決定=神澤龍二 - 毎日jp(毎日新聞)」

 私が問題としたいのは、公園オープン以来、女性が不満を訴えて防音設備設置などを申し入れても、「歓声を騒音とする女性の感覚に問題がある」と決めつけ、いまだに真剣に対応しない市の姿勢だ。市は「市民参加型で作った公園」と胸を張るが、事前の住民説明会は2回だけ。噴水の最も近くに位置する、女性を含めた4軒の家への訪問すらしていない。裁判所の決定書も「近隣住民に対して騒音について説明をし、理解を得たという疎明(明白な証拠)はない」と結論づけている。

 そもそも広大な敷地があるのに、女性宅から45メートルという住宅地寄りに噴水を設置する必要はあったのだろうか。公園南側は農場だ。噴水を南側に作れば、騒音問題が起きる懸念はない。決定書もこうした点を指摘し、「噴水の設計段階から、子供の歓声が大きくなる可能性があったのにゾーニングについての配慮が欠けている」と批判。噴水など各施設の設置場所を決めた、識者や市民らをまじえた「整備懇談会」での審議経過を取材しようとしても、市は「係争中」を理由に応じない。

http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20071016k0000m070135000c.html

シリーズ

はてなブックマークで紹介されていたhttp://ekken.blog1.fc2.com/blog-entry-669.htmlの「ジュブナイルのシリーズモノ」に関して。個人の読んでいるもののリストなので無い物があっても不思議はないけど、同じくらいの時期で自分の読んだことのあるシリーズが思い出されたのでリストにしました。どれもソノラマ文庫、と思ったらコバルト文庫もあった。

シリーズ1巻:発行年 最新刊:発行年 備考
エイリアン秘宝街 (ソノラマ文庫 (236)):1983年 エイリアン黒死帝国〈下〉 (ソノラマ文庫 き 1-54):2002年 未完
吸血鬼(バンパイア)ハンターD (ソノラマ文庫 (225)):1983年 吸血鬼ハンター 18 D-狂戦士イリヤ (ソノラマ文庫):2007年 未完
連帯惑星ピザンの危機―クラッシャージョウ 1 (ソノラマ文庫 26-A):1977年 ダイロンの聖少女 クラッシャージョウ(10) (ソノラマ文庫):2005年 未完
ブラック キャット 1 (ブラック・キャットシリーズ) (コバルト文庫):1984年 チェックメイト〈後編〉―ブラック・キャット〈4〉 (コバルト文庫 あ 2-17):2003年 19年


ブラックキャットは巻数はそれほど多くはないものの、刊行ペースが遅く完結までが長かったです。一応最後まで読みました。それ以外は途中脱落。
最初の2つのシリーズは菊地秀行著で、職業としてのトレジャー・ハンターやそれをバックアップする組織、また吸血鬼ハンターに登場する各種ハンターなどの設定は、他の作品に大きな影響を与えているような気がします。
クラッシャージョウも多少は他の作品に影響を与えているかも。撃たれても大丈夫な防護服や、サイボーグの腕に内蔵されている銃とか。