ワールドビュー
http://d.hatena.ne.jp/NaokiTakahashi/20080821#p1の「何をいまさら感」で、グーグルマップのストリートビューの話題に関連してクラークとバクスターの書いた「過ぎ去りし日々の光」とワームカムが出てきます。エントリーとブックマークコメントを読んで、ワームカムも技術の進歩でだいぶ変化しているというのを連想しました。
ワームカムの前身のデータパイプは、単なる通信装置でした。送信側と受信側に巨大な装置があり、ワームホールを発生させることによって安心確実に信号を伝えることが出来るというだけのものです。ワームホールを経由するので盗聴などの心配が全く無いのは凄いのでしょうが、それでも通信の為だけの物でした。
それが、装置の小型化はもちろんですが受信側の装置だけでよくなったのが大きな変化でしょう。そしてワームホールのサイズを広げることで可視光を通すことが出来るようになったので、好きな場所にワームホールを作ってそこにある物を見ることが可能になりました。さらに単に見るだけから、音声などの他の情報も入手できるようにもなりました。
次の大きな変化は、空間方向だけでなく時間方向にも範囲が広がったことで、過去を覗くことも出来るようになったのです。
ワームカムで見られることに対抗するグループも出てきました。皆で顔にはマスクをかぶり、スマートシュラウドという熱光学迷彩のような機能を持つ服で体全体も隠します。グループのメンバー同士は暗闇で集まり、接触による指文字のようなものでコミュニケートするのです。
「いや、ガジェットが世界を変えるというのは、事実ではありませんかな。かつては、それが車輪であり、農業であり、製鉄技術だった――これらの発明が地球全体にひろまるには何千年という歳月を要した。だが、いまでは一世紀もかからん。自動車にしてもしかり、テレビにしてもしかり。わしが子供の頃には、コンピュータというのは巨大なウォーク・イン・クローゼットのようなもので、パンチ・カードを手にした神官団がそこで奉仕をしていたものだ。ところが、いまではわれわれみんなが人生の半分を Softscreen に接続してついやしている。だが、わしのガジェットはそれらすべてを凌駕することに……いやその。判断はあなたにおまかせしよう」
「過ぎ去りし日々の光(上)」より引用。
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