円と多角形

http://anond.hatelabo.jp/20090124010648の「数学好きの人教えてくれ〜い。」の多面体と球の関係に関する話を読んで、円と正多角形について考えてみました。


正多角形の角を増やしていった極限が円になるというのは、円周率や円の面積を求める場合によく使われてます。
ウィキペディアの多角形の項目に書かれている説明を引用します。

正多角形は、角(辺)の数が増えるごとに円に近づいていくので、「周の長さ÷外接円の直径」を角の数が多い正多角形で計算すると、円周率に近づいていく。これは、初期の円周率の求め方で、円周率の歴史上の始まりに位置する。

また、上記のことを言い換えると「正多角形の極限は円になる」ということになる。これはつまり、「正∞角形を円とする」ということである。このような見方をする場合も増えている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%A4%9A%E8%A7%92%E5%BD%A2


確かに、円周の長さや面積は正多角形の極限を計算することで求まります。しかし、それが正多角形の極限と円が等しいとは限らないのではと思いました。
相違点として思いついたのは、正多角形には微分できない部分があるということです。角の頂点では微分ができません。正多角形は角の数だけ微分不可能点を持つわけです。そして、角の数が増えれば増えるほど、微分不可能点も増えます。
一方、円の場合は全ての部分で微分可能です。
つまり微分不可能な点を持つ多角形と、円とでは同じ物とはいえないのではないかということです。


もう1つは、多角形の角を増やしていった極限を考えた場合、その数は無限であっても数えられる無限にとどまります。しかし円周上の点は、数えられる無限よりも濃度の濃い連続無限です。多角形の極限と、円が同じ物だとすると、多角形の辺と円周上の点を一対一対応させることができることになるので、数えられる無限と数えられない無限の間に一対一対応が成立するということになります。これはおかしいので、多角形の極限と円とは同じ物ではないというもの。