本心を隠すもっともらしい意見2

本心を隠した一見もっともらしい意見に対して、どう対処したらよいか。これは難しい問題です。そもそもの話、もっともらしい意見の背後に別の本心があるかどうかというのは、どうやって判定したらいいのでしょう。


対処法の一つとして、外部に現れてきた意見のみを対象とするという方法があります。本心が何であるかや、隠れた本心があるかどうかについては考慮しないわけです。ディベートなどはこの方法です。


そうはいっても相手の本心がどこにあるのかを知っておくことは、議論を進めるのに役に立ちます。外側には出てこない本心を、外側に出てくるものによって判断するにはどうしたらいいでしょうか。


意見の一貫性から本心を推測することはある程度可能です。例えば高速道路の無料化反対の理由として地球温暖化が上げられていたとします。この場合、他の場面で同じ人が地球温暖化についてどういう意見を述べているかを確認します。
複数の場面で一貫して地球温暖化に対する対策が必要という意見を述べていれば、それは本心に近いのではと推測されます。他の場面では地球温暖化に対して何も言っていないとか、逆に反対の意見であれば、本心からというよりは議論の道具として使っているだけではないかという具合です。


複数の場面での異なる意見に共通するものを見つけることができれば、それは本心に近いものだと考えることができます。たとえば自己負担が増えるのがいやなだけなのが本心ではないかと仮定して、それが複数の意見に当てはまれば仮定が正しい確率は高まります。


直接聞いてみるというのが有効な場合もあります。何かに対する問題点をあげている意見があった場合に、それが反対するための意見か、賛成であって対処するべきだという意見かというのを判別するのは難しいことがあります。そういうときには、まず賛成か反対かを聞いていみるわけです。賛否が明らかになれば、対処の方針も決めやすくなります。
質問に対して賛否を明確にしない場合もありますが、どちらでもないというのはどちらでもあるとも受け取れます。これを利用して、相手が反対ではないということを強調したりもできるでしょう。