一匹とすべてのあいだ

http://d.hatena.ne.jp/trivial/20060824/1156346861に引用されていたhttp://d.hatena.ne.jp/kaien/20060823/p2の文に関して。

 そもそも一匹の猫に不妊手術を施すことは良いことで、すべての猫にそうすることは悪いことだ、となぜいえるのか。そのあいだに線を引く理由はどこにあるのか。


猫の総数の急激な増加もしくは減少は望ましくないという考えが、一匹とすべてのあいだに線を引く理由として成り立つと思います。避妊手術についての是非も考える必要がありますが、総数の急激な変化を抑える何らかの方法が必要であるのは確かでしょう。この考えは猫以外の生き物にも成り立ちそうです。
人間の場合でも、人口の急激な増加や減少は望ましくないとされています。人間全体というよりは、国ごとの人口の変化について対策されているようですが、国の行う対策としてはまあ妥当でしょう。ただ、どのような対策を行えば効果があるのかといったことを判断するのはかなり難しいとおもいます。当然、増加が問題になっている場合と、減少が問題になっている場合によっても違うでしょう。
その方法が一般に認められるかという問題もあると思います。避妊手術は猫や犬に対しては認められても、人間に対しては受け入れられ難いでしょう。国や地域などによる違いもあるでしょう。中国での「一人っ子政策」のような方法は、人口増加の抑制と減少への対策という違いを別にしても日本で行うのは難しいでしょう。
以下に紹介するのは、「ガリバー旅行記」などの作者であるスウィフトが書いた、アイルランドの人口増加への対策案です。これも実行は難しいでしょう。実行を目的として書かれたものでもないのでしょうが。



青空文庫の「アイルランドにおける貧民の子女が、その両親ならびに国家にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案」へのリンク