治療行為

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20070612#p1の「大学病院の看護師が静脈注射をしない理由」に関して。リンク先では不思議な慣習とされていることに関して、もしかしたら正当な理由があるのではないかという観点から考えてみたいと思います。

大学病院には不思議な慣習が残っていて、たとえば点滴のルート確保は医師が行う。研修医が行なうのならまだ理解できないでもない。トレーニングになるからだ。しかし、夜間に点滴が詰まったからという理由で宿直の医師をわざわざ起こすというのは理解できない。採血も基本的に医師が行うことになっている。市中病院ではどちらも看護師の仕事である。まあ百歩譲って、リスク回避もしくは手技の未熟により「針を刺せない」とのは認めるとしよう。しかしながら、当大学病院では、既に点滴ルートが入っている患者さんに静脈注射を行うのも基本的には医師の仕事なのである。三方活栓から簡単に静脈注射は可能であり、特別な技術は不要なのに。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20070612#p1


あることに正当な理由があるのかどうかについての判断は難しいと思います。たとえば、産婦人科で看護師に内診行為をさせることが少し前に問題になりました。これに関する是非もあるのでしょうが、行政指導というものにはある程度の正当性があると考えられます。多くの病院で看護師に内診行為をさせていたわけですが、その中に看護しには内診行為をさせない病院があったとして、それを奇妙な慣習と評価することもありえないわけではありません。
リンク先の静脈注射を看護師がしない理由というのは定かではありませんが、医師の指示によらない治療行為は行わないという考えによって規則が決められている可能性はあります。点滴の交換は予定された行為なので特に問題は無いけれど、吐き気に対して薬を出す為には医師の診断が必要だという考え方です。ただ、これだと医師がいる場合にはその指示によって静脈注射をしても良さそうな気もしますが、そうすると実際の注射時には医師がいないという状態もありえるので、それを排する為に看護師は静脈注射をしないという規則にしているのかもしれません。