医薬品医療機器総合機構

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20071217#p1の「線引きは許されないのか?薬害肝炎訴訟 - NATROMの日記」で取り上げられていた話題に関して。

患者に救済が不要だと言っているのではない。一律救済を求めるのであれば、国や製薬会社の責任を厳しく問うのではなく、不可避な不幸な事故に対する救済として求めるほうがよい。巨額な補償金ではなく、治療費の補助程度にならざるを得ないだろう。その代わり、救済の対象は輸血による感染まで広げる。「感染時期で差別するのか」と一律救済を求める原告の方々は、感染経路で「差別」しないことをもきっと理解していただけるだろう。マスコミの報道についても、医療事故裁判と似ている構図がある。「被害者」の闘病生活やあきらめた夢の話に焦点があたり、医学的な情報に乏しい。また、「被害者」がいるからには、どこかに「悪い奴」「責任者」がいるに違いないという論調も見られる。「患者は死んだのだから、医師に過失があるに違いない」という考え方と似ているように私には思われる。犯人探しが不毛なこともあるのだ。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20071217#p1


ここで書かれている治療費の補助のような制度は実際にあるようです。「独立行政法人 医薬品医療機器総合機構」という所で「健康被害救済業務」を行っています。

医薬品や医療機器は、私たち人の健康や生命を守るために欠かせないものです。これらの医薬品などが用いられるためには、その有効性と同時に安全性が確保されていなければなりません。また、これを正しく使用することも有効性と安全性を確保するためには大切なことです。しかし、十分な注意を払って正しく使用していたとしても、副作用の発生や生物由来製品による感染などを完全に防ぐことはたいへんむずかしいとされています。
 病気の治療などの際に使用した医薬品などによる副作用や感染などで発生した疾病などの被害に対して迅速に救済を行う必要があります。これを目的として、「医薬品副作用被害救済制度」と「生物由来製品感染等被害救済制度」が設けられています。

http://www.pmda.go.jp/operations/higaikyusai/outline/higaikyusai_1.html


ただし「医薬品副作用被害救済制度」は昭和55年5月1日以降に医薬品を適正に使用した場合で、「生物由来製品感染等被害救済制度」は平成16年4月1日以降に使用された生物由来製品を原因とする場合に限られるようです。ここは過去にさかのぼって適用して欲しいところです。
スモンやHIVに関する救済も行っているのでさかのぼった適用もできるみたいですが、どちらも裁判の和解が条件になっているようです。