生コン生チョコ生放送

生コンについて考えると少し不思議になる。固まっていない状態のコンクリートのことを生コンもしくは生コンクリートと呼ぶのだけれど、固まったコンクリートにしても加熱されたものではない*1からだ。この点では生コンの生は、生ビールや生野菜の生とは違うようだ。生ラーメンや生パスタなど生麺の生とは、少し近いかもしれない。それは加熱した茹で麺に対する生麺という場合の他に、乾燥させた乾麺に対する生麺という使われ方もあるから。乾燥させるために加熱することがあるとしても加熱が必須ではなく、たとえ非加熱であっても乾燥させた麺は生麺では無い。ちなみにコンクリートが固まるのは、乾燥するからではなく水分によって起こる水和反応の為。

生チョコは生コンよりも不思議な感じ。加熱の有無ではないし、乾燥とも関係ないからだ。結論から言うと、生クリームを加えているから生チョコという呼び方になったようだ。生クリームとチョコを混ぜ合わせる際には加熱もしているので、非加熱という意味では全く生ではないのも生チョコの不思議なところ。同じ物をガナッシュと呼ぶこともあるのがこれまた不思議。

生放送の生は、録画ではなくリアルタイムで放送しているという意味で生中継も同じ。中国では北京オリンピックの生中継を10秒遅らせて放送する方針のようだが、10秒送れでも生放送と呼べるのかどうか。しかしほんの僅かの遅れもダメだとするならば、衛星中継などでの数秒の遅れが生じるのはどうなんだろう。また、デジタル放送はデータの復調に時間がかかるのでアナログ放送に比べると映像が遅れるなんてのもある。そこから、デジタル放送では真の生とは呼べないとも言えそうだが、それなら直接見なければ生じゃないなんてことも。

*1:まれに加熱する場合もあるらしい。水分の凍結を防ぐ為か。