回文部、きぶん部以下

回文の作りかた。今回は長くする方法について。
前回も「馬と舞う」を「馬と的、舞う」するような、文の中に文字を追加して長くしていく中心追加法と、もう一つの文の両側に文字を追加して長くする両側追加法について。

具体的には、
新聞紙(しんぶんし)

朝、新聞紙、さあ(あさしんぶんし、さあ)
竹や新聞紙焼けた(たけやしんぶんしやけた)
のようにするのが両側追加法です。


この他に接続法がありますが、最初の二つに比べれば使用頻度は低目かもしれません。


例回文
竹山焼けたら、裏竹山焼けた(たけやまやけたら、うらたけやまやけた)


昨日の俳句形式も接続法の一種と言えるかもしれません。五文字の回文Aと七文字の回文Bを、A+B+Aのようにして構成しているとも考えられるからです。俳句形式でも、最初と最後の五文字が回文でない場合は接続法ではありません。この場合は、七文字の回文に両側追記法を使って両側に増やしたか、七文字を後から中心追加法で入れたと考えられます。


基本的にはこの三つある中心追加法、両側追加法、接続法を使うことで回文を長くすることが可能ですが、実用的にはこれらの複合や、基本から外れた方法も必要でしょう。まあ、何が回文の実用かという疑問は当然あると思いますが、そんなことを言い始めたら、前回と今回の内容が「二回分全部如何に(にかいぶんぜんぶいかに)」となってしまうし、もう一回書いて「三回分全部いかんさ(さんかいぶんぜんぶいかんさ)」とか、さらに一回追加しても「四回分全部いかんよ(よんかいぶんぜんぶいかんよ)」と困ったことになります。
回文には、見慣れた事物をも、初めて見たように異様に感じさせる効果である異化効果があるとも言われていて、これは「回文全部異化(かいぶんぜんぶいか)」として一部では良く知られています。*1


最後に、長めの回文を紹介して終わりにします。



好き、泣いたし夜
口もきいたりしないよ、黙る


今朝見た、行く?
よしたわ
仲のいい友達だもと


いいのかな
私、よく痛み避ける
まだよいな
知りたい気持ち


来るよ
したいな、キス



(すき、ないたしよる
くちもきいたりしないよだまる


けさみた、いく
よしたわ
なかのいいともだちだもと


いいのかな
わたし、よくいたみさける
まだよいな
しりたいきもち


くるよ
したいな、きす)

*1:一応書いておくとフィクションです。