期待値

人力検索はてなから、http://www.hatena.ne.jp/1139240657の質問。

あるクイズ番組の問題で、3つのドアが用意されています
その内1つは、賞品がありますが、残り2つはハズレです
参加者は、3つのドアから1つを選びます
その後、司会者は選ばれなかったドアの裏をのぞき、ハズレのドアを開けます
そこで、参加者にはもう一度ドアを選ぶ権利が与えられます
残ったドアのうち1つはハズレで、もう1つには賞品があります
賞品があるドアを選ぶには、どちらのドアを選べばいいですか?

これは、モンティホールジレンマもしくはモンティホール問題として有名なようだ。はてなのキーワードにもなっている。
これに関連して思い出したのが「封筒問題」というもの。これは、2つの封筒があり、一方にはもう片方の2倍のお金が入っているというもの。たとえば500円と1000円といった具合で中は、開けてみるまでわからない。
そこで、片方の封筒を選んで開けた場合に1000円入っていたとする。この場合にもう片方の封筒を交換できたとして、交換したほうがいいかという問題。
片方の封筒に1000円入っていたということは、もう片方には500円か2000円が入っている事になる。仮に、500円と2000円の確率か等しいとすると期待値は1250円になる。
そうすると交換したほうが得ということになる。
しかし、これは最初に開けた封筒の中身が1000円の時にかぎらない。500円でも750円でも1280円でも交換した方が特になる。ただ、999円のように奇数の場合は2分の1にできないという問題があるが、これはお金では無く、金額相当の金が入っているなどとすれば回避できる。つまり任意の金額x円が片方の封筒に入っていた場合に、もう片方の封筒の期待値は1.5x円となる。
任意のxについて成り立つのだから、封筒を開ける必要は無くなる。最初に選んだ封筒の中身がx円だとすれば、もう片方は1.5x円だから交換した方がいいことになる。でも、最初に選んだ封筒が、もう一つの方だった場合でも交換した方がいいのだから、どちらを選んでも交換した方がいいことになる。

封筒問題はこのくらいにして期待値の話。期待値が同じでも違うということについて書いてみたい。
まず、100円のクジで期待値も100円のものを考える。

  1. 1/10の確率で910円が貰える。9/10の確率で10円が貰える。
  2. 9/10の確率で110円が貰える。1/10の確率で10円が貰える。

この2つはどちらも期待値が100円になる。しかし、最初のクジは10人に1人の大勝ちする人を生み出し、もう1つのクジは9人が少し勝つ。

期待値だけを考えると、宝くじなどは買えなくなる。生命保険などの保険も、かかる費用に対する期待値の割合は1よりも小さくなる。つまり期待値のみを判断材料にすると、損をするのでやめておいた方がいいと考えられる。
しかし、保険と言うのはいざという場合に備えるもの。別の言い方をすると非常に低い確率ではあるが、非常に大きなダメージを受けることへの対抗手段になる。

宝くじや保険は、個人の選択であるが、社会の選択としてあえて期待値を下げることもありうる。どちらかというと期待値よりも、極端な勝者や敗者を出さないようにすることが重要視されるのではないだろうか。