「小さいひらがな」をローマ字で書く

http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2006/10/post_694.phpにある「小さいひらがな」に関して。

 ところで、もっと多いのは、小さい「っ」だ。これは、実に不思議な記述法である。というのも、実際には、「つ」という音にはほとんど無関係なのだ。「はっと」のように、後ろにくる音が「た行」であれば、なんとなく、「はつと」に近いかもしれないが。「かっぱ」とか「でっき」などでは、むしろ、「かぷぱ」や「でくき」の方が近い気がするから、本来は、後ろに来る文字と同じ行の「U」段の文字を小さくすべきかもしれない。ローマ字の表記がそれに近い。
 ようするに、この「っ」は、読み方がある文字ではなく、一種の記号といえる。濁点や半濁点と同じような記号を考えた方が良かったのではないか。しかし、長音「ー」も、平仮名では「ようよう」とか「ぼうとしていた」と書くので、なんらかの拘りがあったのかもしれない。
 人の名前にも、服部さんや、淳子さん、のように小さい平仮名が入る人がいる。佐々木さんのように、漢字ではない「々」が入る人もいる。しかし、長音が入っている人は、僕はまだ出会ったことがない。


漢字ではない「々」が名前に入るというのは通称名では正しいとしても、戸籍名としては間違いです。「佐々木」も戸籍では「佐佐木」となっているはずです。
長音「ー」が無いというのも、そういう書き方が一般的でないというだけだと思います。たとえば「大田」さんの読み方を「おおた」と書くのが一般的だとして、発音としては「おーた」の方が近い気もします。ローマ字の場合は、ひらがなよりも発音に近い表記になる方式が多いようです。この辺は「旧かな」もしくは「正かな」と呼ばれている表記と現在一般的に使われている「新かな」表記の関係に似たものがあります。ただローマ字入力のように、かなに合わせた表記をする場合もあります。あとはパスポートの名前をローマ字表記する場合のように、長音記号を省く場合もあります。そうすると「森」さんも「毛利」さんも同じ「MORI」になってしまいます。


ちなみに戸籍に登録されている名前は漢字なので、戸籍名を勝手に変えることは出来ないけれど読み方は自由に変えても問題無いと聞いたことがあります。それほど変わった名前でなくても「新屋」さんが「しんや」さんか「あらや」さんなのかは漢字を見ただけではわかりません。