アメリカに行くと直る病気がある

前に書いたd.hatena.ne.jp/ROYGB/20060320の「病気の子供はいるんだ」について別の面から考えてみます。それは日本では直らないが、外国だと直る可能性のある病気があるという観点です。


日本では直らない病気がアメリカでは治るとしても、それが日本の医療技術や制度の遅れで、アメリカは素晴らしいとは思いません。アメリカでなく中国でも同じです。今はどうかわかりませんが、中国では死刑囚からの臓器移植がさかんに行われていました。それによって救われた命も多いはずですが、じゃあ日本も同じようにしたらいいとは思えないのです。
死刑囚からの臓器移植という話を聞いた時は、ラリイ・ニーブンの書いたSFを思い出しました。その中では、死刑になった人の臓器は必要になるまで大切に保管されています。ちなみにその世界では軽犯罪でも死刑になります。


日本で脳死した場合に臓器を提供するドナーから子供が除外されているのにはいくつかの理由があったはずです。一つは子供の脳死判定が難しく、大人の場合ほど確実に判定できないと考えられること。もうひとつは本人の意思確認がやはり大人に比べて難しいというものだったと思います。これらには、それなりの合理性があるように思えます。
しかし、そうするとアメリカのように子供からの臓器移植が可能な国では、どのような判断によって行われているのか気になります。意思確認については、アメリカでは本人の確認が必要なく、家族の同意があれば条件を満たすというのを聞いたことはありまが、脳死の判定についてはどうなっているのでしょうか。
TVで見たので詳細は不明ですが、いったんは死んだとされて移植の為の臓器を取り出す手術の直前に奇跡の回復を起こした子供の話を覚えています。
あと子供ではないですが、アメリカやカナダで脳死と判定された日本人が帰国後に意識が回復したというニュースも見た記憶があります。

参考:「脳死判定をめぐって 」http://www.faminet.net/sakai/no9.html


子供の頃に読んだ本で「合成怪物」というのがあります。これは人間の頭脳を部品とするコンピュータが開発された未来の話です。もちろんコンピュータに使われている脳は死んでいて、カエルの足が電気でピクピク動くように反応しているに過ぎないと説明されています。そして、開発者の科学者たちが率先して自分の死後に脳を提供するという意思を示します。主人公の青年も分野は違うものの科学者で、脳の提供する意思表示をしていました。そして主人公は事故で死亡してコンピュータに組みこまれます、意識を持ったままで。
実はコンピュータに組み込まれた脳が意識を保ったままだというのは、専門家にはわかっていて彼らは脳の提供意思をこっそりと撤回していました。
「合成怪物」は長らく絶版でしたが「合成怪物のはんらん」という題名で出ているようです。


あとこれまた子供のころに読んだ星新一の話で、中絶胎児を使った臓器移植に関するものを読んだことがあります。たしか違法な臓器移植の捜査を進めていったら臓器を培養して移植用に保管している施設があって、その臓器の仕入先が安価に中絶を行う病院だったという話です。で、個別にはそれぞれ合法な行為で摘発できないというオチだったはずです。
これなんかは、現在の技術でも実現可能かもしれません。


合成怪物の逆しゅう (冒険ファンタジー名作選)

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