陣取りゲームの多分に直感を含んだ回答

http://www.hyuki.com/d/200610.html#i20061009222222で紹介されている陣取りゲームに関して。

前提

将棋盤(9×9のマス目を持つ盤)を使って二人が陣取りゲームをする。自分の番になったとき、空いているマス目(自分の陣地でも相手の陣地でもないマス目)の中からいくつか選んで「自分の陣地」にすることができる。一度に自分の陣地にできるのは、「1個」か「隣り合った2個」のいずれかである。隣り合った2個は縦の2個でも横の2個でもよい。パスはできない。自分の番になったとき空いているマス目がひとつもなかったら負け。

問題

この陣取りゲームは、以下のうちどれか。

(A)先手必勝 (B)先手必敗 (C)いずれでもない


将棋盤というのが、ある種のミスディレクションになっているような気がします。というかチェス盤の場合はヒントがあるといった方が適切かも。思い出したのが、チェス盤の一部と取り除いたものを、枡を2つくっつけたもので敷き詰めるというパズルを思い出しました。ウィキペヂアの項目「パリティ (パズル)」にある説明を引用します。

ドミノ(正方形が2つつながってできた形)を右上と左下が欠けたチェス盤におくことを考える。
1つのドミノは白マスと黒マス各1マスずつを占めるが、盤面には白マス32個に対して黒マスは30個しかない。よってドミノを敷き詰めるのは不可能である。
日本ではドミノの変わりに部屋に畳を敷く問題に変わることもある。


畳で、http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2006/09/post_697.phpに書かれていた「畳の部屋」も連想しました。


とりあえず最初の問題の回答は(A)の先手必勝ではないかと思います。やり方としては、チェス盤のように白黒の市松模様に色を塗り分けたとして、まず多い方の1枚をとります。そうすると残り80枚が白40枚と黒40枚になります。そして、あとは相手が黒を1マスとったら自分も黒を1マス、もし白を1マスなら同じく白を1マス、白と黒の2マスの場合も同じように2マスをとればいいわけです。その時に気をつける点としては黒または白1マスの飛び地を作らないようにすることです。飛び地があると、相手が黒と白の2マスをとった次の手で、白のマスと黒のマスが1つづつはあるものの離れていて同時には取れないことがある可能性があるからです。
そのことから、最初の1手もどこでも多い方の1枚をとればいいとは限らないようです。隅の1枚ならわかりやすいと思います。逆に隅の1つ隣のマスを取った場合は、簡単に相手に飛び地を作られてしまいます。

一般解としては、白黒の市松模様に塗り分けた場合に白と黒が同数なら先手必敗で、先手の最初の手で白黒同数に出来ない場合も同様。それ以外の先手の最初の手で白黒同数に出来る場合は、先手必勝となるような気がします。
しかし、“トーラスの場合も考えましょうか?”というのもミスディレクションで、この発言には少し意地悪な印象を受けました。円筒やトーラスにした場合でも市松模様に不連続な箇所がなければ考え方は同じでかまわないはずだからです。不連続な箇所が出る場合はちょっとわかりません。それも含めてああ言ったのなら脱帽です。あとは、1マスずらして円筒にしたり、ひねってメビウスの輪にちた場合も、また違った結果になるはずです。