お試しセール?

http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2006/12/1.htmlにある『レジデント初期研修用資料 「最初の1回だけ無料」ルール』に関して。

「1回まで無料」ルール
地域の住民に、1年間有効、1回限り使用できる「救急車利用券」みたいなものを毎年配る
利用券は、お互いに交換したり、他人に券を譲ることも可能
2回目以降、あるいは券を持っていない人が救急車を使うには、ある程度の金額負担が必要

これは救急車の利用に関するアイデアですが、粗大ゴミの回収で似たようなのがあったのを思い出しました。今は全て有料になりましたが、以前は1年に何個までは無料だったからです。チケットとかは無かったので、住所や名前で管理していたのだと思います。

救急車の有料化自体はそんなに無理はないと思います。救急車で運ばれた場合も、治療費は払うわけですから、救急車の費用も治療費に計上すればとりはぐれることはありません。少なくとも、治療費と同じ程度には回収できます。


救急車が有料になったら、それも医療費として健康保険が適用されるのでしょうか。それか生命保険のオプションとして入院や通院に対して1日いくらと出るものがあるように、救急車利用費を出す保険なんてのは出そうな気がします。現在の通院にかかる交通費のように、医療費控除の対象になることは確かでしょう。


ところで、“救急制度が吹っ飛んだ先にあるもの”の話は、前半とは逆に救急車を使うメリットというか、使わないことによる問題が書かれています。

医者を叩きおこすのに最凶の方法というのは、「自分で直接病院に来る」こと。

救急車を使った場合は、それでも救急隊とのコンタクトが可能。専門外だったり、自分達の施設で手に負えないようなケースは、他に行ってもらえる。責任は発生しない。

ところが、自分の足で来た患者さんに対してはルールが変わる。

アメリカンフットボールタッチダウンよろしく、病院の門をくぐった時点で患者さんの「勝ち」。初診の人であろうが、専門外の患者さんであろうが、病院が責任を持って治療する義務が生じる。

「駄目な救急隊は放っておいて、近所の病院に直接行きましょう」

こんなキャンペーンが張られて、民間の寝台タクシーみたいな制度が安価に開始されたら、もう当直なんてできない。

救急車の有料化などの利用を抑制する措置をとれば、救急車以外の方法で病院に来る人が増えるのはそんなに不自然は無い気がします。そして、夜間や休日でもそれは同じではないでしょうか。