分業

http://anond.hatelabo.jp/20070523040509の「料理が得意な女性は、もはや「下流」的なのでは?と思った。」に関して。
リンク先の内容に賛同するわけではありませんが、裁縫が得意で子供の洋服に穴があいたら継ぎを当てたり大きさを直したりするのが、いわゆる「下流」に感じられるなんていう場合で考えると、それほど違和感が無いかも。まあ、最近はボロボロの服がお洒落だったりもするようなので一概には言えないかもしれませんが、継ぎの当たった服を着てると貧乏くさく感じるといったようなことです。
料理がある程度できる女性は減っているでしょうが、裁縫ならばもっと減っているのではないでしょうか。昔は自分で洋服を作るというのが、それほど珍しくなかったようです。婦人雑誌には、たいてい洋服の型紙がついていたりとか。もっと昔だと自分で布を織っていたり。
最近では趣味として服を作る人はいるけれども、主婦に必要とされる技能とは言えなくなっています。寸法なおしですら微妙というか店でやってもらう割合が多くなっていそうです。同じように、料理も趣味としてやる人はいるというようになっていくかもしれません。掃除なんかでも、クリーニングサービスを利用している人もいるでしょう。
しかし、人件費が安くて貧富の差が激しかった昔の方が、お手伝いさんを雇うなどして自分では家事をやらない人は多かったのかもしれません。


また料理に関連して、昔は味噌などを自分の家でつくっていたけれど今では珍しいとかいうこともあります。味噌を手作りするのが当たり前だった時代の人から見ると、店で味噌を買ってくるなんてひどい手抜きに思えるかもしれません。同じように、パックのご飯とレトルトのカレーを温めることを料理と呼ぶことに抵抗がある人がいるように、麻婆豆腐の素のようなものを使うことに抵抗がある人もいるかもしれません。ピザで考えると、宅配ピザ、冷凍などの買ってきたピザを温める、買ってきた生地に自分で材料をのせて焼く、小麦粉とイーストを使って生地からつくる、のような各段階のどの辺から料理とするかは意見の相違があると思います。もっといえば小麦粉を自分で挽くという段階すらありえます。
あとは料理に手作りと求めるとして、食器や調理器具についてはどうなのかなんてことも考えたり。


衣や住において、個々人の手作りではなく大量生産や専業の人による製作物の購入ということが一般的になった現在で、食についてもその可能性があると考えるのはそれほど突飛なことでも無いでしょう。