会社が知るべきこと

昨日は、会社が求人の際に性別の情報がいらないなら氏名も必要ないのではということを、そんなことはないだろうと思って書きました。今日は現実的なことは抜きにした思考実験として、どれだけの情報が必ずしも必要といえないかということについて考えてみます。

まず性別は不要です。氏名も不要だろうけど、個人を識別する何らかの方法は必要でしょう。グレッグ・イーガンの小説「ふたりの距離」は意識を宝石と呼ばれるニューロコンピュータに移すことが可能な世界を舞台にしていますが、そこでは宝石のシリアルナンバーが法的な個人認証の定義とされています。現在でも、完全な在宅勤務やインターネットなどを経由した仕事のやりとりのみであれば連絡先のメールアドレスが相手を識別する方法になるように思います。

インターネットを使うことで、どこに住んでいてもかまわないことになるし、国籍も必要な情報ではないと言えるでしょう。年齢も不要だし、自動翻訳の技術が進めば、何語を使うかということも知る必要は無くなってしまいます。それこそ人間であるかというのも必要な情報とは言えなくなってしまうかもしれません。この辺は、それまで人がやっていた仕事がオートメーション化によって機械にとって変わられたのと似ているかもしれません。

結局のところ、仕事に必要なのは人やその属性というよりは仕事を行う機能なのではと考えました。その機能を満たす者であれば誰でもいいし、人ではなくて機械などの物でもかまわないのでしょう。