どうでもいいけど

はてなブックマークで紹介されていたhttp://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0803/13/news028.htmlの『つい口に出る「微妙」な日本語:第4回 「どっちでもいいけど」――よくないくせに! - ITmedia Biz.ID』に関して。

一対一のコミュニケーションにおける「最後は君が決めることだけど」も同類です。

 「結局、会社にしがみついたところで、ここで君にできることなんてもう何もないんだし、故郷に帰ってゼロから出直したほうが、親孝行もできて、よほど幸せな選択だと思うんだけどなあ。ま、最後は君が決めることだけどさ」


 とうとうと自説を展開しておきながら、最後は中立的立場に逃げてしまう。大変に陰湿な言い回しです。自分の意見なら堂々と言うか、言うべきでないと思うなら意見表明を控えればいいのです。こういう上司がいると、職場の雰囲気は暗くなり、モラールはどんどん下がっていきます。そういう部署にいる社員は気の毒でなりません。

http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0803/13/news028.html


これを読んで思い出したのが、http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51011259.htmlの「404 Blog Not Found私はこうしてクビを切りました」です。

弾:
あなたは解雇を選ぶことも出来ます。その場合当然法にのっとり、あなたは解雇予告手当を支給された上、すぐに失業手当の給付を受けることが出来る。自ら辞めることも出来ます。この場合、我が社にはあなたが解雇された場合に受け取るより多い額の手当を支払う用意があります。どうしますか?

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51011259.html


これらはあからさまな例ですが、もっとうまくやられたら本当に自分で選択したと思いながら実は相手の思惑通りに行動してしまうということもあるかもしれないと思いました。マジシャンが観客に自由にカードを選ばせると見せながら、実は思い通りのカードを手に取らせるフォーシングという手法からの連想です。
ただし、マジシャンの裏をかくことが出来たとしてもそうすることが得策とは限りません。マジックを楽しむことが出来れば観客にとっても利益になるわけで、マジシャンを困らせることが目的ではないからです。
マジック以外でも、相手の行動の背後にあるものを推察することでその裏をかくこともできますが、裏をかくことを目的にするのもどうかと思います。最終的には自分がどう思って判断するのかということが重要で、相手の行動や思惑は参考にはなるけれど自分の判断にとってはどうでもいいことです。