ブートストラップS

ブートストラップという用語は、コンピュータなどでよく使われています。ブートのように略されることも多いみたいですが、ウィキペディアをウィキと略すなと怒る人はいても、ブートストラップをブートと略すなと怒る人はいないようです。


ブートストラップという言葉について説明しているページをいくつか紹介しまます。


「第4回 ブートってなんだ!?(2000/5/28)」 http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/1544/prof04.html
このページでは、プートストラップは靴ヒモじゃなくてブーツを履くときに使うつまみ革のことだという解説をしています。

補足をするならば、場合によってはアウトラップが後ろではなく横についている物もあるとか、手が入るくらいの大きなストラップがあったりもするとかでしょうか。


[スノーピーク] NOASOBI ラバーニーブーツ LL オリーブグリーン RB-U0010518


続けて、ほら吹き男爵のエピソードが由来であるとも書かれています。

では本当は、どうしての靴の引っぱりひもが語源になったのかを説明したいと思う。私の調べた範囲においては、そもそも話はほら吹き男爵にまでさかのぼる。ほら吹き男爵のエピソードで、底なし沼にはまった男爵が機転を利かせて自分を自分でbootstrap を引っぱって引っぱり上げたという話があり、それに由来しているのだ。つまり、「自分で自分を立ち上げる」プロセスであるコンピュータの立ち上げのプロセスを、「自分で自分を引っぱり上げる」ほら吹き男爵にたとえて、bootstrapという言葉を使ったのである。

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/1544/prof04.html


これに関しては少し疑問があります。http://suzuki-tokuhisa.com/ushigome/hinoue.htmlの「bootstrap」ではいくつかあるバージョンのほら吹き男爵の話を調べた結果として、髪の毛を引っ張って自分を持ち上げるエピソードはあっても、ブートストラップを持ち上げるものは見つからなかったとしています。


ウィキペディアではどうでしょう。

ブートストラップ問題とは、コンパイラコンパイル対象のプログラミング言語で作成した際に、そのコンパイラコンパイルをどうするかという問題を指す。また、そのような実装を行うことをブートストラップ方式あるいはブートストラッピングと呼ぶ。ほら吹き男爵が、自分で自分のブーツの紐(髪の毛とするバージョンもある)を引っ張って底なし沼から脱出したと言うエピソードに由来する。

ブートストラップ問題 - Wikipedia

ここにもほら吹き男爵がでてきます。しかし、ブーツの紐というのは、靴紐を指しているようにも読めるので、その正確さには疑問があります。英語版のウィィペディアではどうだろうと、ページ左下のメニューの他の言語から英語を選んで"http://en.wikipedia.org/wiki/Bootstrapping_(compilers)"のページを見るとほら吹き男爵は出てきません。
あきらめずに、(compilers)ではないページに行くと、それらしいことが書いてあります。

Bootstrapping or booting refers to a group of metaphors that share a common meaning, a self-sustaining process that proceeds without external help. The term is often attributed to Rudolf Erich Raspe's story The Surprising Adventures of Baron Munchausen, where the main character pulls himself out of a swamp, though it's disputed whether it was done by his hair or by his bootstraps.[1]

Bootstrapping - Wikipedia


"The Surprising Adventures of Baron Munchausen"の一部はインターネット上にあるのですが、その部分にはbootを含む単語は見つかりませんでした。だから確実にほら男爵の話にブートストラップが書かれているとはいえないものの、英語圏でも関連があると言われているということはあるようです。