量子を観測する

人力検索はてなの質問でhttp://q.hatena.ne.jp/1190966301の「量子コンピュータについて教えてください。 1,量子コンピュータが実用化されると、どんなことができるようになりますか。   Aができる。Bができるかもしれない…のよう.. - 人力検索はてな」に関連した話。
回答で紹介されていた、はてなキーワード量子コンピュータの説明はわかりやすかったのですが、これを読んで不思議に思ったことがあります。以前から疑問に思っていたのですが、観測問題に関することです。

今のところまだ量子コンピュータは研究段階にあり、核スピンを使った5キュービットが試作されたり、基本回路である制御NOTゲートがようやく実現されたりというところである。技術的には克服すべき点がまだまだ多い。たとえばキュービットは「観測」してしまうと量子的重ね合わせが崩れてしまうので、計算が終るまでは「見てはいけない」。外部からのちょっとしたノイズも「見た」ことになるので技術的に難しい。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%CC%BB%D2%A5%B3%A5%F3%A5%D4%A5%E5%A1%BC%A5%BF


この説明のように、ノイズによる影響も観測したのと同じことになるとしたら観測問題は発生しないのではないかというのが疑問の内容です。量子状態の収縮*1には意識による観測が必要だという記述が、おおくの量子力学の解説書で見られます。有名なシュレディンガーの猫の話でも、人間が箱の蓋をあけることによって状態が確定するとしています。箱に入っている検出器の動作によって状態が確定するのでは無いという説明です。
しかし、ノイズ程度の影響でも観測したのと同じように量子状態の収縮*2が起きるとしたら別に人間の意識が収縮*3を引き起こすと考える必要ないのではないでしょうか。むしろベンローズの主張する客観的収縮という説明の方がしっくりくる感じもしてきます。

どうも、その辺の疑問をはっきりさせることが今まで出来ないでいます。量子力学の解説書で二重スリットの実験では光子や電子を検出器を使ってどちらのスリットを通ったかを観測すると干渉縞が消えると書いてあり、シュレディンガーの猫に関しては箱の中にある検出器によっては状態が決まらず人間の観測が必要だと説明してあるのを読むと、両者の違いはなんだろうと思ってしまうのです。

*1:多世界解釈の場合は世界の分岐

*2:多世界解釈の場合は世界の分岐

*3:多世界解釈では分岐